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文献詳細

雑誌文献

病院81巻4号

2022年04月発行

文献概要

特集 ポストコロナを見据えた公立・公的病院と民間病院の役割分担 医療提供サイドの視点から

ポストコロナ時代における公立病院の役割—危機管理医療機能の向上をめざして

著者: 竹中賢治12

所属機関: 1天草市病院 2全国自治体病院協議会

ページ範囲:P.327 - P.331

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■はじめに
 「新型コロナ」が社会構造に変容を求めたと言っても過言ではないであろう.新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の国内第1波襲来時には,公立病院の多くが対応した.しかしながら,本感染症に対する情報量不足はしかたないとしても,感染症病床はすぐに満床になって一般病床まで占拠され,加えて消毒薬,防護服などはおろか,治療機器,環境整備機器なども国内に十分な備蓄はなく,ほとんど丸腰で闘っていることに気づかされた.このような有事に直面し医療が機能しない,すなわち,感染症対応機能が手薄であったと同時に,医療ロジスティクスも不十分であったのである.まさに医療における安全保障の欠如とも言える状態であった.この経験を元に今後,危機に備え公立病院はどのような医療提供体制を構築していくべきか,その役割・連携も含め新たな検討が必要であると考えられる.

参考文献

1)竹中賢治:天草市立4病院の改革—重点支援区域の選定も受けて.全自病協雑誌60(12):42-47,2021
2)公益社団法人全国自治体病院協議会 COVID-19流行時における自治体病院のあり方タスクフォース:COVID-19流行時における自治体病院の対応と今後のあり方—パンデミック第1波に対する会員病院のアンケート調査から.日本医師会COVID-19有識者会議,2020.10.2
3)小熊豊:新型コロナウイルス感染症流行時における自治体病院のあり方 Ⅰ,COVID-19流行時における自治体病院のあり方タスクフォースの提言 Ⅱ,第27回地域医療構想に関するワーキンググループ配布資料から.全自病協雑誌59(12):24-37,2020
4)竹中賢治:新型コロナウイルス感染症に対する自治体病院の対応—国内第1波に対する診療活動とその課題.全自病協雑誌59(12):38-56,2020
5)竹中賢治:新型コロナウイルス感染症に対する自治体病院の対応(第4報)—国内第4波に対する診療活動と2020年度病院決算見込み調査報告.全自病協雑誌60(9):9-24,2021
6)丸尾明代,亀井葉子:大阪コロナ重症センターの設立と活動(第1波〜第4波).全自病協雑誌60(11):25-32,2021

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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