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特集 ポストコロナを見据えた公立・公的病院と民間病院の役割分担 医療提供サイドの視点から
ポストコロナ時代における公立病院の役割—危機管理医療機能の向上をめざして
著者: 竹中賢治12
所属機関: 1天草市病院 2全国自治体病院協議会
ページ範囲:P.327 - P.331
文献購入ページに移動「新型コロナ」が社会構造に変容を求めたと言っても過言ではないであろう.新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の国内第1波襲来時には,公立病院の多くが対応した.しかしながら,本感染症に対する情報量不足はしかたないとしても,感染症病床はすぐに満床になって一般病床まで占拠され,加えて消毒薬,防護服などはおろか,治療機器,環境整備機器なども国内に十分な備蓄はなく,ほとんど丸腰で闘っていることに気づかされた.このような有事に直面し医療が機能しない,すなわち,感染症対応機能が手薄であったと同時に,医療ロジスティクスも不十分であったのである.まさに医療における安全保障の欠如とも言える状態であった.この経験を元に今後,危機に備え公立病院はどのような医療提供体制を構築していくべきか,その役割・連携も含め新たな検討が必要であると考えられる.
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