病院81巻4号

2022年04月発行

特集 ポストコロナを見据えた公立・公的病院と民間病院の役割分担 医療提供サイドの視点から

ポストコロナの公立・公的病院と民間病院の役割分担—民間病院の立場から

著者： 加納繁照¹²

所属機関： ¹社会医療法人協和会加納総合病院 ²一般社団法人日本医療法人協会

ページ範囲：P.333 - P.337

　2019（令和元）年9月，厚生労働省「地域医療構想に関するワーキンググループ」において，全国1,455の公立・公的病院の診療実績を分析した結果，再編統合の再検証を424病院に要請することを決め公表した（その後再検証し440病院と言われているが，追加した病院名は非公表）．地域から病院がなくなるのではないかなど，大きな論争が沸き起こり公立・公的病院の在り方について議論が深まるのではないかと思ったが，翌年の2020年初めから新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大し，日本でも2021年秋の第5波まで感染拡大の対応に追われ，再編統合の議論は進まない状況となってしまった．また，感染拡大時においてコロナ患者受け入れ状況について，公立・公的病院と民間病院の状況が開示されたが，今後どのように対応すべきかなどの考え方について大きな方向性をまとめる議論にはまだ至っていない．本来議論されるはずであった再編統合，新興感染症への対応の考え方も含めて，ポストコロナを見据えた公立・公的病院と民間病院の役割分担について考える．

参考文献

1）厚生労働省：第22回地域医療構想に関するワーキンググループ　参考資料4　中川俊男構成員提出資料，2019年6月21日 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_05350.html

2）総務省：令和2年度の地方公営企業繰出金について（通知）．総財公第77号令和2年4月1日，2020 https://www.soumu.go.jp/main_content/000679159.pdf