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文献詳細

雑誌文献

病院81巻4号

2022年04月発行

文献概要

連載 これからの病院経営の考え方・11

病院会計としての損益計算書とは

著者: 小松本悟1

所属機関: 1足利赤十字病院

ページ範囲:P.355 - P.359

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■はじめに
 院長をはじめとした病院幹部が病院会計についての十分な知識を持つ必要性が出てきた.多くの病院が独立採算制となり,DPC導入によりアウトカム評価が求められるようになってきた.また,院長や副院長をはじめとした医師主導による,病院経営の重要性が叫ばれている.医療を取り巻く環境は激変しており,地域医療構想,医師の働き方改革など,医療制度も大きく変わろうとしている.
 このような状況の中,病院は地域に根差し生き残りをかけていかなくてはならない.そのためには,地域における自院の立ち位置,医業としての効率性,成長性などを即時に判断するために,病院会計のデータを情報化し,病院の進むべき方向性を模索しなくてはならない.
 病院会計については,損益計算書,貸借対照表とキャッシュフロー計算書の3つが必要である.財務三表と言われるこれらの会計情報は,それぞれ作成方法,表示方法や算出方法を含めて決められている.またこれら3つの会計情報は相互に密接に関連している.しかし,今までの損益計算書で使われている用語のほとんどが企業会計に準じていて,実際の病院会計で使われている用語とのひも付けが難しく,馴染みにくいところがある.そこで,本稿では病院会計に則してわれわれ医療関係者に分かりやすい説明をしてみたい.さらにこれらの会計情報は勘定項目ごとに全て貨幣単位で表されている.そこでわれわれ医療関係者に理解しやすい計算式,「収益-費用=利益」で作られている損益計算書について概説したい.
 今までの連載の中で医業収支,経常収支における勘定項目に関していろいろな角度から述べてきた.損益計算書の書式について本稿では体系的に述べたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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