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特集 どうなる,どうする病院の外来 病院の外来の在り方
中小病院におけるオンライン診療の意義—85歳以上患者の増加で外来受診はオンライン診療に置き換わる
著者: 織田正道1
所属機関: 1社会医療法人祐愛会織田病院
ページ範囲:P.528 - P.531
文献購入ページに移動 外来機能報告制度が,本年(2022年)4月に施行された.今後は「かかりつけ医機能」を担う医療機関と,紹介受診重点医療機関へと大別されることになる.この棲み分けの中で,全病院の7割を占める200床未満の中小病院はどのような対応を迫られるのであろうか.
少子高齢化が加速する中,地域の中小病院は,組織体として「かかりつけ医機能」を有し,特に医療・介護の窓口としての役割が大きくなってきている.その代表例が在宅療養支援病院(以下,在支病)であり全国で1,500病院を超え,現在も増加している.地方においては既に救急患者の多くが後期高齢者であり,中でも85歳以上の高齢者が急増している.この年齢層は,入院前からADLが低く認知症有病率が高い.このような高齢患者が入院治療を終えた後,円滑に生活の場へ帰っていくためには,医療と介護の円滑な連携,さらには日常の療養支援に至るまで,きめ細かく見守る体制を作ることが重要となる.「老化による複数の疾病や障害のある高齢者」が一般化する時代にあって,在支病は,行き場のない高齢者を出さないように,地域包括ケアシステムを多職種協働で支えると共に,地域の診療所(かかりつけ医)からの緊急入院要請にも対応し,地域全体における「かかりつけ医機能」の向上にも寄与している.このような「地域包括ケアシステム」,「かかりつけ医」のバックアップは,身近で地域に根差している病院だからこそ可能であり,今後,このような地域の中小病院の役割は増してくるものと考えられる(図1).
少子高齢化が加速する中,地域の中小病院は,組織体として「かかりつけ医機能」を有し,特に医療・介護の窓口としての役割が大きくなってきている.その代表例が在宅療養支援病院(以下,在支病)であり全国で1,500病院を超え,現在も増加している.地方においては既に救急患者の多くが後期高齢者であり,中でも85歳以上の高齢者が急増している.この年齢層は,入院前からADLが低く認知症有病率が高い.このような高齢患者が入院治療を終えた後,円滑に生活の場へ帰っていくためには,医療と介護の円滑な連携,さらには日常の療養支援に至るまで,きめ細かく見守る体制を作ることが重要となる.「老化による複数の疾病や障害のある高齢者」が一般化する時代にあって,在支病は,行き場のない高齢者を出さないように,地域包括ケアシステムを多職種協働で支えると共に,地域の診療所(かかりつけ医)からの緊急入院要請にも対応し,地域全体における「かかりつけ医機能」の向上にも寄与している.このような「地域包括ケアシステム」,「かかりつけ医」のバックアップは,身近で地域に根差している病院だからこそ可能であり,今後,このような地域の中小病院の役割は増してくるものと考えられる(図1).
参考文献
1)織田良正:ICTを活用した地域医療—自宅を病床に,地域を病棟に—.ジェネラリスト教育コンソーシアムVol. 16:93-97,2022
2)織田正道:これからの地域医療構想の行方.吉原健二(編):医療経営白書2021年度版.日本医療企画,pp48-57,2021
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