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特集 病院給食の新しいカタチ 食事療法としての病院給食/臨床栄養管理
NSTと病院給食の理想の関係はあるか—管理栄養士が臨床栄養管理をできる環境を整える意義
著者: 宮澤靖1
所属機関: 1東京医科大学病院栄養管理科
ページ範囲:P.689 - P.695
文献購入ページに移動入院時に栄養不良になっている患者,あるいは手術などの治療後に栄養不良になる患者は少なくない1).栄養不良に陥っている患者は感染や褥瘡など,さまざまな合併症の発生率が高くなり,生命予後も悪いことが分かってきた.本来なら栄養補給を行うべき患者の抽出も十分に行われていないとの指摘もある.これらの課題に対し,医師や看護師,管理栄養士,薬剤師など院内横断的なチーム=NST(Nutorition Support Team)による栄養サポートが有効で,適切に行われれば,病気の治癒・回復が促進され,合併症の発生率や死亡率が低減,副次的に入院期間の短縮,医療費の削減につながる2).そのようなエビデンスが内外で蓄積されてきたこともあり,2010年4月には診療報酬に新たにNST加算が認められた.
2013年現在でNSTを立ち上げている医療施設は日本臨床栄養代謝学会,日本病態栄養学会の認定施設を合わせると2000施設を超える.一方で立ち上げに二の足を踏んでいる施設,あるいは立ち上げたものの運用がうまくいかず効果が上がっていないという施設も散見される.
そこで本稿では,筆者の経験を基に,NSTの質を向上させる栄養管理部門の変革の事例を紹介したい.
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