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文献詳細

雑誌文献

病院81巻8号

2022年08月発行

文献概要

特集 病院給食の新しいカタチ 病院厨房の新しいカタチ

完全調理済み食材の活用—病院給食から在宅配食,災害対応まで

著者: 高橋洋1

所属機関: 1株式会社シニアライフクリエイト

ページ範囲:P.707 - P.710

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■はじめに
 病院給食は,栄養管理や,衛生,HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Points)による厳密な管理が要求され,毎日決められた時間に適切な温度で1日3食を多種多様に同時配膳する難度の高い業務が求められ,栄養士や調理士の人手不足や食材費の高騰,入院時食事療養費といった制約などにより,収益確保が難しく1),運営上の問題が山積している.これらの問題解決に向け,「給食個別対応の合理化」「食種の集約」「給食の完全委託」「病院直営とのハイブリッド化」「完全調理済み食材活用」など,業務効率化による給食コスト低減の方策が検討されている.
 本稿では,病院給食の歴史と変遷を再確認した上で,厳しい病院給食の現状を踏まえ,病院直営での給食体制を基盤としつつ給食人材の省人化と衛生管理の両立に寄与する「冷凍完全調理済み食材」の活用や,災害時の病院給食への配食サービスなど,“病院給食の新しいカタチ”を検討したい.

参考文献

1)公益社団法人全日本病院協会:病院給食問題の解決を目指して.WEBセミナー「どうする? 病院給食問題」—人手不足とコストの上昇で収支が悪化,病院経営上の課題に(今村英仁,千田隆夫,渡辺正幸).2021年3月11日
2)中村丁次:日本の栄養療法の歴史と高齢社会への対応.日本静脈経腸栄養学会雑誌34:316-319,2019
3)八王子市保健所:特定給食施設における対策マニュアル策定のための手引き.平成30年2月.2018 https://www.city.hachioji.tokyo.jp/kurashi/hoken/007/008/002/p022767_d/fil/saigaitebikisyo.pdf

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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