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特集 想定外を想定せよ—病院BCPのバージョンアップ 総論
医療機関におけるBCP策定の現状と目指すもの
著者: 牧野紘至1
所属機関: 1厚生労働省医政局地域医療計画課 災害等緊急時医療・周産期医療等対策室
ページ範囲:P.750 - P.754
文献購入ページに移動わが国は,世界有数の地震大国であることに加え,台風や豪雨による風水害も毎年のように生じていることから,医療機関が災害時にいかにして業務を継続するかということは地域の医療体制の維持という視点において重要な意味を持つ.事実,2011(平成23)年に発生した「東日本大震災」を契機として医療機関におけるBCP策定の必要性が注目され,その後2016(平成28)年に発生した「熊本地震」の経験などを通して改善され,徐々に現場に浸透してきている.
東日本大震災では,約300施設の医療機関が被災するなど,甚大な被害が生じたが,被災した医療機関の中でも,例えば,宮城県の気仙沼市立病院が,事前にBCPの策定を行っていたことにより,混乱の中でもスムーズに活動が行われたことについては,「災害医療等のあり方に関する検討会」(平成23年)において報告された.
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