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特集 想定外を想定せよ—病院BCPのバージョンアップ 病院BCPの策定
国際標準化機構(ISO)による医療BCPの考え方
著者: 秋冨慎司1 爰川知宏2 黄野吉博3 岡部紳一4 渡辺研司5
所属機関: 1医療法人伯鳳会東京曳舟病院 2東京国際工科専門職大学 3一般財団法人リスクマネジメント協会 4長岡技術科学大学大学院 5名古屋工業大学大学院社会工学専攻
ページ範囲:P.765 - P.772
文献購入ページに移動医療における危機管理について,医療関係者の多くは医療安全という形で,患者に関係する視点で議論をしていた.しかし,2020年から発生した新型コロナウイルス感染症では,医療が院内だけでなく院外の社会と密接につながっていたことが分かり,医療の視点で経済も含めた安全保障の議論が必要になった.
また,本邦は災害多発国であり,災害が発生するたびに日頃の準備の必要性を考え,その都度対応をしているが,時間が経過すると形骸化してしまう.備蓄や訓練も病院ごとの環境や規模も違うため,スタッフの理解と定期的な準備が進んでいないことが多い.さらに医療を取り巻く環境は行政や医薬品,医療機器,電気,水,ガス,医療ガス,食料,自家発電の燃料も含め複雑かつ個別的対応であり,さらに環境や体制も地域や規模で違うため,その全体像を把握した上で調整し最適化することは,医療関係者の喫緊の課題である.
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