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特集 想定外を想定せよ—病院BCPのバージョンアップ 分野別病院BCP
病院情報システムのBCP—バックアップの考え方,サイバーテロへの対応
著者: 黒田知宏1 土井俊祐2
所属機関: 1京都大学医学部附属病院医療情報企画部 2東京大学医学部附属病院企画情報運営部
ページ範囲:P.791 - P.794
文献購入ページに移動1999年の電子カルテ解禁1)以来,医療機関のIT化は急速に進展し,電子カルテを含む病院情報システムなしでの診療業務運営は,想像しにくくなっている.一方,医療機関に対するサイバー攻撃は日増しに増加・巧妙化してきており,ある日突然病院情報システムを失う可能性も高まっている.サイバーテロを含む情報セキュリティへの「備え方」については拙稿2)を含む他稿へ譲るが,いかに備えようとも攻撃を受けて機能不全に陥る可能性は排除できない.また,本来BCPを考える対象となる災害においても,同様に情報システムを失う可能性は排除できない.情報システムを失ったとき,頼りになるのは「バックアップ」である.
本稿では,サイバーテロも視野に入れたバックアップの整え方を中心に,病院情報システムを失ったときに備えるBCPの考え方を整理し,その事例として,国立大学病院遠隔バックアップシステム(The Gemini Project)3)とそれを取り巻く運用,および筆者の所属機関のバックアップ体制について紹介する.
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