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特集 —地域ニーズに合致した—病院機能の変革 病院の収益力向上と経営持続性を高めるために
病院経営持続性を診る分析について
著者: 西田在賢1
所属機関: 1県立広島大学
ページ範囲:P.906 - P.910
文献購入ページに移動筆者は,厚生省(現・厚生労働省)保険局認可により開設された医療経済研究機構の初代研究主幹に就いた1995年当時,病院が毎年100余りも減少していく様子に医療提供体制の危機を感じ,「病院の経営持続性に関する研究」を興した.その後,わが国医療保障の要となる国民皆保険制度の持続可能性も併せた日本の医療システムの経営持続性について研究を続けている.そのような経緯から病院経営持続性の研究について,次のように整理している.
一般に営利を目的とする事業経営の場合,経営持続は事業者の自己責任に帰するので,その経営持続性を調べるには,事業者が経営を「持続する」取り組みを確認するべく事業継続の前提/ゴーイング・コンサーン(going concern)を調べる.実のところ,営利企業に限らず,公益法人や医療法人,社会福祉法人などでも事業継続の前提の確認や評価は必要である.しかしながら,これらの事業にはいろいろなかたちで公的支援があり,それらが及ぼす経営持続への影響や評価が難しいことから研究がなかなか進まない.
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