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連載 医療機関で起きる法的トラブルへの対処法・30
医療機関で発生した転倒・転落事故により負う責任
著者: 堀田克明1
所属機関: 1弁護士法人 色川法律事務所
ページ範囲:P.912 - P.916
文献購入ページに移動薬剤やドレーン・チューブと並び,転倒・転落事故は医療機関内のインシデントレポートの上位を占めています.転倒・転落があっても重大な結果にまで至らないケースが多いものの,中には重大な後遺症が残ったり,死亡事故に至るケースもあります.
設例のケースは実際の裁判例の事案★2を簡略化したものです.実際の裁判では他にもさまざまな事情が主張されましたが,結論としては病院側に約2800万円の損害賠償責任を認めました★3(なお,病院は過失相殺も主張しましたが,認められませんでした★4).
今回は医療機関内での転倒・転落事故に関し,医療機関が患者に対して負う法的責任の内容,そして,どのような点に留意するべきなのかを説明したいと思います.
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