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特集 医療法人の徹底活用 医療法人の事業展開
医療法人の経営状況
著者: 濵谷真之1
所属機関: 1独立行政法人福祉医療機構 経営サポートセンター リサーチグループリサーチチーム
ページ範囲:P.961 - P.964
文献購入ページに移動1950(昭和25)年8月に医療法の一部を改正する法律が施行され,医療法人制度が発足してから73年が経過した.制度発足時の厚生事務次官通知1)には,医療法人制度を創設する趣旨として,次のような記載がされている.
「本法制定の趣旨は,私人による病院経営の経済的困難を,医療事業の経営主体に対し,法人格取得の途を拓き,資金集積の方途を容易に講ぜしめること等により,緩和せんとするものであること」
この創設趣旨を厚生労働白書などの記載を基に要約すると,「医業の非営利性を損なうことなく,個人が法人格を取得することを可能とし,資金集めを容易にすることで経済的困難を緩和し,医業の永続性を確保する」ということのようだ.果たして,現下の医療法人の経営状況は,この創設趣旨を踏まえてみた場合,どのように位置づけることができるだろうか.
本稿では,福祉医療機構(以下,当機構)の貸付先のうち,法人格が医療法人である決算データを用いて,経年比較や設立経過年数別などの視点で経営状況を確認することとしたい.
なお,文中における見解に関する部分については,個人的所見であり,当機構の組織としての見解ではないことを申し添える.
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