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文献詳細

雑誌文献

病院82巻12号

2023年12月発行

文献概要

特集 人を活かす病院経営—地域で病院の存在意義を発揮するために 対策・支援

病院における人事対策

著者: 馬渡美智1

所属機関: 1株式会社日本経営 組織人事コンサルティング部

ページ範囲:P.1067 - P.1072

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■はじめに
 労働集約型産業である医療機関において,「人」と「組織」に関する悩みは尽きない.特にここ数年は医療機関を取り巻く環境の変化が激しく,人手不足,価値観の多様化や最低賃金の上昇など,2024年に向けた医師の働き方改革への対応など,従来の延長線では対応しきれない課題が次々と生まれ,抜本的な組織の見直しに迫られている.
 このように外部環境が大きく変わる状況においては,事業戦略の見直しはもとより,それに合わせて組織やマネジメント体制の見直しを行わなければ,職員の離職やモチベーションの低下が起こり,サービスの質の低下,ひいては業績の悪化につながることも懸念される.
 一方で,こうした厳しい環境の変化にも柔軟に対応し,収益や生産性の向上を実現している医療機関も存在する.そうした医療機関に共通するのは,法人理念や目指すべき方向性が組織の末端にまで浸透しており,職員の役割やすべきことが明確になっていて,実行と検証を徹底して行っているということだ.病院の場合,機能が同じであれば,戦略に大きな違いはない.つまり,経営力を高める鍵は,組織としての「実行力」の高さであり,人事制度はそこに寄与するものでなければならない.そこで本稿では,実行力を高め,戦略を実現するための人事制度の要諦について説明する.人事制度の全体像については,図1を参照されたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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