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特集 これからの重症度,医療・看護必要度 現場での活用方法と課題
重症度,医療・看護必要度を用いた病棟マネジメントの実際と課題
著者: 谷口孝江1
所属機関: 1堺市立総合医療センター看護部
ページ範囲:P.214 - P.219
文献購入ページに移動「重症度,医療・看護必要度」は,患者の状態や医療内容の状況を評価することにより,看護の業務量を推計できるしくみとして開発された.また,看護労働量と看護師の適正な配置を予測できるシステムであることから,患者に必要な看護を提供できる状況であるかを審査して,看護サービスを評価することができる1).
入院医療の評価の基本的な考え方としては,個々の患者の状態に応じて,適切に医療が投入され,より効果的・効率的に質の高い入院医療が提供されることが望ましいとされる.
図1の横軸は医療資源投入量を,縦軸に医療ニーズを示しており,本来,右肩上がりに内容が推移する.そうでない場合は医療ニーズが高い患者に必要な医療資源が投入されない「粗診粗療」となる恐れがある.また,医療ニーズが低い患者に多くの医療資源を投入してしまう「非効率な医療」となる恐れが生じる.医療ニーズに反映されるのは患者の状態であることから,看護必要度をモニタリングすることは,適切な入院医療・ケアの評価につながることを意味する.
2016年10月から重症度,医療・看護必要度データは,Hファイルとして提出されている.この頃から,看護必要度データは,それぞれの施設などをベンチマークすることも可能となり,看護を考える大きなデータベースとなった.実際に看護管理者によって,表1に示す活用が実践されている.
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