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特集 DXでタスク・シフトせよ—働き方改革の打開策 病院DXの事例
医療連携推進業務におけるDX—患者フローの最適化と経営資源管理を担う間接業務のAgile化,組織文化の強化へ
著者: 䕃山裕之12
所属機関: 1地域医療連携推進法人 湖南メディカル・コンソーシアム 2社会医療法人 誠光会 法人本部
ページ範囲:P.335 - P.341
文献購入ページに移動私は,前職で約60の医療法人の経営コンサルティングに従事してきたが,その中で最も印象に残っているのは,どのような赤字の病院であっても医療従事者は患者に対し,日々懸命に医療提供を行っていたことである.これは現場が手を抜いているために赤字になっている病院は一つもなかったと言い換えられると思う.それでは,どこに黒字と赤字の病院の差があるのか? 私の個人的な感想にはなるが,法人が持つヒト・モノ・カネ・情報といった経営資源を最適に配分し,現場を巻き込みながらこれらを最大活用することができる人材の有無が経営成果に大きく影響しているように思う.そして,その人材が極めて少ないことが,わが国の医療業界全体の課題であるとも考えている.
そこで,私たち誠光会は2018年から,これらの人材を育成することと,それらの人々で構成される理想的な医療経営の組織モデルを作ることに挑戦してきた.これから紹介するPFM(Patient Flow Management),医療連携推進業務におけるDX(Digital Transformation)も,この目標を実現するための手段の一つと位置付けている.本稿では,社会医療法人誠光会と地域医療連携推進法人湖南メディカル・コンソーシアムの具体的な活動を紹介していく.
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