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連載 アーキテクチャー×マネジメント・102
中部国際医療センター
著者: 境野健太郎1
所属機関: 1工学院大学建築学部建築学科
ページ範囲:P.556 - P.561
文献購入ページに移動■設立の経緯
中部国際医療センターは,1913年に「回生院」として開設されて以降,地域医療を支えてきた木沢記念病院(452床:以下,旧病院)を新築移転して,2022年1月に新たに開設した病院である.全診療科にわたる一般医療と循環器病センターなどの特殊医療を提供する基幹病院であった旧病院を,現在は,中部国際医療センター(502床)と旧病院跡地に開設された脳疾患を専門とする中部脳リハビリテーション病院(150床)に再編し,運用している.新築の中部国際医療センター(以下,新病院)は,医療法上は新病院の開設にあたるが,旧病院から2km以内の移転であったため,取得していた各種の指定や認定,施設基準などの継続認可を得て開設している(図1).
旧病院は1日に900人ほどの外来患者があったが,天井が低く,通路は待合と兼用するなど狭く,療養環境も決してよいとはいえない状態だった.また,木曽川の河川敷に位置していたため,30年ほど前に洪水被害を経験しており,病院屋上へのヘリポートの設置など,災害拠点病院として水害対策を講じる必要が生じていた.地域医療支援に貢献する新病院の建設を目指す中で,傾斜地で使い道がなかった岐阜県生物工学研究所(2010年廃止)跡地と周辺の丘陵地を移転先として選定した.
中部国際医療センターは,1913年に「回生院」として開設されて以降,地域医療を支えてきた木沢記念病院(452床:以下,旧病院)を新築移転して,2022年1月に新たに開設した病院である.全診療科にわたる一般医療と循環器病センターなどの特殊医療を提供する基幹病院であった旧病院を,現在は,中部国際医療センター(502床)と旧病院跡地に開設された脳疾患を専門とする中部脳リハビリテーション病院(150床)に再編し,運用している.新築の中部国際医療センター(以下,新病院)は,医療法上は新病院の開設にあたるが,旧病院から2km以内の移転であったため,取得していた各種の指定や認定,施設基準などの継続認可を得て開設している(図1).
旧病院は1日に900人ほどの外来患者があったが,天井が低く,通路は待合と兼用するなど狭く,療養環境も決してよいとはいえない状態だった.また,木曽川の河川敷に位置していたため,30年ほど前に洪水被害を経験しており,病院屋上へのヘリポートの設置など,災害拠点病院として水害対策を講じる必要が生じていた.地域医療支援に貢献する新病院の建設を目指す中で,傾斜地で使い道がなかった岐阜県生物工学研究所(2010年廃止)跡地と周辺の丘陵地を移転先として選定した.
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