文献詳細
特集 病院経営から考える医薬分業
医薬分業のあるべき姿
文献概要
本号で筆者に与えられたテーマは「医薬分業の現在の姿は,制度設計時の理想の姿に近づいているか」ということだが,実はその評価は簡単ではない.まずは,設計時の理想が簡単にまとめてある2015年3月12日の厚生労働省「医薬分業の考え方と薬局の独立性確保」1)の最初のページで復習してみる(図1).
このスライドからさえ8年も経っているので,その評価はどうかと,今はやりの(ChatGPTをエンジンに組み込んだ)BingAIに「医薬分業が進んだことで,これまでにどういう好ましい効果や影響がありましたか? これを定量的に評価することはできますか?」と尋ねてみた.その答えをそのまま書くことはしないが,要は「ほとんど見当たらない」というものだった.そこで,一歩踏み込んで「例えば医療費の削減に効果があったというような報告や研究はありますか?」と聞いたところ,一つだけ見つけてくれた2).私もBingAIの結果を,そのまま鵜呑みにするほどナイーブではないが,それにしても誰もがすぐに知る,実感できるほどには報告されていない注1ということだろう.
このスライドからさえ8年も経っているので,その評価はどうかと,今はやりの(ChatGPTをエンジンに組み込んだ)BingAIに「医薬分業が進んだことで,これまでにどういう好ましい効果や影響がありましたか? これを定量的に評価することはできますか?」と尋ねてみた.その答えをそのまま書くことはしないが,要は「ほとんど見当たらない」というものだった.そこで,一歩踏み込んで「例えば医療費の削減に効果があったというような報告や研究はありますか?」と聞いたところ,一つだけ見つけてくれた2).私もBingAIの結果を,そのまま鵜呑みにするほどナイーブではないが,それにしても誰もがすぐに知る,実感できるほどには報告されていない注1ということだろう.
参考文献
1)厚生労働省:規制改革会議 第2回公開ディスカッション 資料2-2(その1) 医薬分業の考え方と薬局の独立性確保.2015年3月12日 https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/meeting/2013/discussion/150312/gidai2/item2-2-1.pdf
2)鹿村恵明,真野泰成,小茂田昌代,他:薬局薬剤師の疑義照会による医療費削減効果及び医薬分業率との関連性—全国薬局疑義照会調査.薬学雑誌136:1263-1273,2016
3)文部科学省 薬学系人材養成の在り方に関する検討会:薬学教育モデル・コア・カリキュラム 令和4年度改訂版. https://www.mext.go.jp/content/20230227-mxt_igaku-100000058_01.pdf
4)高橋洋介:製薬協ニューズレター 2022年3月号 No.208新薬における創薬モダリティのトレンド—多様化/高分子化の流れと,進化する低分子医薬 https://www.jpma.or.jp/news_room/newsletter/208/08pc.html
5)桐野豊:欧米諸国の薬学教育との比較から考える我が国の薬学教育の在り方.薬学教育 6 :2022-040,2022 DOI https://doi.org/10.24489/jjphe.2022-040
6)厚生労働省 医道審議会薬剤師分科会,薬剤師国家試験制度改善検討部会:薬剤師国家試験のあり方に関する基本方針.2016年2月4日 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/0000112014.pdf
7)谷口恭:僕が最後まで「院内処方」にこだわった理由.日経メディカル,2023年2月27日
8)日本調剤は投資1.5倍 薬局ネット対応,電子処方箋契機.日本経済新聞,2023年4月21日
9)薬局運営のファルメディコ 調剤,外部委託実証へ—日本調剤などと連携.日本経済新聞,2023年5月12日
10)マツキヨココがオンライン処方薬 首都圏で即日配送.日本経済新聞,2023年5月15日
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