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文献詳細

雑誌文献

病院83巻1号

2024年01月発行

文献概要

研究

DPCデータを用いた急性期病床における介護需要の経年変化の分析

著者: 井原正裕1 神田真人2 井上貴裕2 山本修一1

所属機関: 1独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO) 2千葉大学医学部附属病院

ページ範囲:P.56 - P.61

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■要旨
 人口減少や高齢化等の変化を見据えた医療制度改革が進む中,急性期病床においても高齢の入院患者が増加しており,介護需要の変化をDPCデータにより定量的に検討した.2018年4月から2023年2月までに地域医療機能推進機構の病院群で急性期一般入院基本料を算定した患者の患者一人一日当たりの平均B得点,入院時および退院時の平均B得点,退院時B得点が悪化した患者割合,認知症(日常生活自立度判定基準Ⅲ〜M)と要介護患者の割合について一元配置分散分析法およびJonckheere-Terpstra検定を行った.傾向検定の結果,患者一人一日当たりの平均B得点(p=0.012),入院時の平均B得点(p=0.016),退院時の平均B得点(p=0.006)および退院時B得点が悪化した患者割合(p=0.040)の全てで2018年度から2022年度にかけて有意な増加が認められた.認知症および要介護では有意差は認めなかった.入院患者に良質な医療・介護サービスを提供する観点から,介護福祉士を含めた多職種でケアを提供する体制の構築が望まれる.

参考文献

1)厚生労働省社会保障審議会:要介護者等の高齢者に対応した急性期入院医療.令和6年度の同時報酬改定に向けた意見交換会第1回資料5参考1.2023 https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001079168.pdf
2)松田晋哉,林田賢史,村上玄樹:DPC対象病院に入院した高齢患者のB項目の状況に関する検討.日本ヘルスサポート学会年報 7:51-63,2022
3)厚生労働省社会保障審議会:意見交換会の基礎資料.令和6年度の同時報酬改定に向けた意見交換会第1回資料2.2023 https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001072589.pdf
4)松田晋哉,村松圭司,藤本賢治,他:医療・介護レセプト連結データを用いた高齢心不全患者の医療介護サービス利用状況の分析.日本ヘルスサポート学会年報6:49-57,2021
5)荻原園子,朝倉喜子,寺島三保子,他:一般病床への介護福祉士チーム導入の成果と課題.(日本農村医学会学術総会抄録集 56:1E15,p89,2007)日本農村医学会雑誌56:303-303,2007
6)目時のり,山口裕子,平船裕子,他:A病院における看護必要度監査の実際と今後の課題.日本医療情報学会看護学術大会論文集15回:219-220,2014
7)高村洋子:急性期病院の看護必要度からマネジメント課題を考える.商大ビジネスレビュー 3:313-330,2013
8)高谷薫:急性期における看護必要度について.商大ビジネスレビュー2:133-149,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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