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研究
医療分野でのクラウドファンディングの活用状況—事例集積による有用性評価
著者: 五十嵐中1 市川衛2 金久保智也2
所属機関: 1東京大学大学院薬学系研究科医薬政策学 2READYFOR株式会社
ページ範囲:P.143 - P.148
文献購入ページに移動目的|幅広い対象からの資金調達目的で利用が進むクラウドファンディング(CF,インターネットを通じた寄付募集)の医療分野での活用状況を分析する.
方法|CFの最大手であるREADYFOR株式会社と共同で,同社で2021年に行われた「医療系」カテゴリのプロジェクト526件について,CFの目的・達成率・達成金額と達成状況に影響を与える因子を分析した.
結果|385件が分析対象となった.解析時点でのCF成功事例の中央値は150万円・最大値は6400万円であった.達成金額が1000万円以上のCFは29件であった.CFの目的は,障害者支援(80件)・自組織の医療機関の支援(45件)・患者支援(39件)が多くみられた.達成状況に影響する因子の解析では,「自組織の医療機関の支援」「基礎研究・臨床研究の支援」が達成率・達成金額を有意に上昇させる因子となった.
結論|医療機関のインフラ支援や研究支援のツールとして,CFの有用性が明らかになった.
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