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文献詳細

雑誌文献

病院9巻1号

1953年07月発行

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医療券一部負担額の問題—case workerの眼に映ずる患者の惱み

著者: 山本武夫1

所属機関: 1東京療養所

ページ範囲:P.5 - P.15

文献概要

1
 最近,医療券の一部負担額の支払困難を訴える患者が多く,これをどう取扱つていいかについては意見がまちまちらしいので,私たちのところでも,そのような患者を扱つている間に,わずかではあるが,資料が集められたので,その資料をここでごらんに入れて,皆さんとともにこの問題について考えてみたいと思う。もつとも,この資料は現在私が仕事している国立東京療養所の医療社会事業部で取扱つた患者の,しかもその僅かな一部分の患者から得られたものであるから,局部的な資料にはちがいないが,「一斑を見て全貌を知る」ことは不可能ではないし,単に一人のcase workerの見解であるとしても,そこから何らかの意味がくみとられてもいいように思うのである。
 患者にとつて病気が惱みの主体であることは当然のことではあるが,その病気を治すためには患者の持つ経済力が重大な役割を果している。したがつて患者の関心は自分の病気とおなじ程度に時にはそれ以上に,自分の経済事情に注がれるのである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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