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特集 伝票制度の研究
社会保障と医療費
著者: 末高信1
所属機関: 1早稻田大学第二商学部
ページ範囲:P.2 - P.4
文献購入ページに移動ところがイギリスでも,フランスでも,ドイツでも,わが国でも,その公的扶助制度において扶助対象の一として医療が挙げられて居るうえ,社会保険制度の重要な一環として健康保険乃至疾病保険が行われて居る。この事実は,国民の生活を脅かす原因のうち疾病従つて医療の費用というものが如何に重大であるか,それによる悩みが如何に深刻であるかをもの語るものである。 アメリカでこのような医療についての保険制度を欠いて居ることは,同国には任意加入の医療保険制度が民聞に自然発生的に広く行われ,その加入者の総数は今や60,000,000人を超えると一いラ状態で,社会保障としての医療保障を或る程度代行して居るからであると見られるが,そのアメリカでさえもAFLやCIOを中心とする労働組合は,社会保障としての医療保険制度の樹立促進のために運動して居る。このことはアメリカのような生産力が強大で,一般民衆の生活水準の高い国においてさえも,医療費については,国が責任を負うところの社会保障として行うのでなければ,国民の大部分(特に労働階級に圏するもの)はその負担に堪えないという現実の姿を示すものである。
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