文献詳細
新薬治験
文献概要
Ⅰ.緒言
蛋白分解酵素の臨床的応用は1951年にLoetting等がTripsinにすぐれた線維素融解作用である事をin vitroで明らかにして以来のことであり,現在までに発表された種類も甚だ多い。それらの作用機序即ち腸溶錠が腸管より吸収され血中に移行した後,如何なる機序によつて局所に分布されるかは今後の研究に俟たねばなるまいが,その分布された局所において,潮紅,腫張,疼痛等の炎症症状を緩解し,また組織の修復を促すために炎症部位の体液循環を改善し,病巣に蓄積された滲出物,壊死組織等を排除する等の作用がある事から,その臨床的価値は軽視し得ないものがある。
既に各科領域において蛋白分解酵素の臨床的応用に関する発表が相次いでいるが,箸者も今回α-ChymotripsinとTripsinの合剤であるChymoralの提供を受け泌尿器科領域に試用し,その臨床効果を検討する機会を得たので少数例ではあるがここに報告する。
蛋白分解酵素の臨床的応用は1951年にLoetting等がTripsinにすぐれた線維素融解作用である事をin vitroで明らかにして以来のことであり,現在までに発表された種類も甚だ多い。それらの作用機序即ち腸溶錠が腸管より吸収され血中に移行した後,如何なる機序によつて局所に分布されるかは今後の研究に俟たねばなるまいが,その分布された局所において,潮紅,腫張,疼痛等の炎症症状を緩解し,また組織の修復を促すために炎症部位の体液循環を改善し,病巣に蓄積された滲出物,壊死組織等を排除する等の作用がある事から,その臨床的価値は軽視し得ないものがある。
既に各科領域において蛋白分解酵素の臨床的応用に関する発表が相次いでいるが,箸者も今回α-ChymotripsinとTripsinの合剤であるChymoralの提供を受け泌尿器科領域に試用し,その臨床効果を検討する機会を得たので少数例ではあるがここに報告する。
掲載誌情報