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雑誌目次

雑誌文献

臨床泌尿器科21巻10号

1967年10月発行

雑誌目次

図譜・254

睾丸内注入によるリンパ系造影

著者: 斯波光生 ,   大塚晃 ,   南茂正

ページ範囲:P.840 - P.841

 Gibert(1966)は犬の睾丸内に5ccのEthiodolを注入したところ,その領域リンパ系が描出され,しかも2ヵ月後の睾丸組織像にはほとんど変化がなかつたことから,臨床的応用が期待できると報告した。
 われわれは4例の前立腺癌患者の除睾術直前,リンパ管用翼状針を睾丸内に刺入し,アトムAG−2自動調圧注入装置でPopiodolを30〜40分で注入してみた。1側7〜10ccの注入で睾丸被膜は緊張し4側中2側に睾丸リンパ管とL2高のリンパ節が認められ(第1図),15ccの注入では睾丸はさらに強く緊張し,被膜上に造影剤が油滴として認められ,明瞭なリンパ管像(第2図)と,L2〜L4にまたがるリンパ節が描出された(第3図)。

図譜・255

膀胱腟瘻

著者: 仲宗根繁 ,   西尾徹也

ページ範囲:P.842 - P.843

 患者 66歳,主婦。
 主訴 尿失禁。

第14回国際泌尿器科学会の展望

大会の運営,その他

著者: 南武

ページ範囲:P.845 - P.849

 こんどの第1回のサーキュラーがいつ来たか忘れたが多分去年の7月頃だつたと思う。これは第2図のような青い表紙の正味は3頁のもので,1967年7月9日から14日までミュンヘンのドイツ博物館で行なわれること,同封の書類で参加する意志があるか否かの返事をすぐくれるように,学術講演は次の演題について事務局長の指命した人々によつて行なわれる,というような言葉と,第1部の3つの主題A) Transplantation of the human ki-dney, B) Arterial hypertension of renal cause,c) Chronic pyelonephritisとそれに対する演者名(3〜5名)と,第2部のRound table discussions (R.T.D.)では,A) Solubility of urinary stonesとB) Ure-thral injuriesについて司会者と主演者の名前がかかれていた。そしてそのあとで1人3分以内のdiscussionがあること,その他の時間で1人10分以内の自由演題と学術映画(15分以内)が行なわれる。
 通訳し易いように,原稿を5部少なくとも学会の1週間前までにつくように郵送すること,映画のうち新たな学術的価値があるもの以外は学会事務所に1967年の3月1日までに届けること。

腎移植

著者: 生駒文彦

ページ範囲:P.850 - P.852

 Münchenのドイツ博物館の会議場において,昭和42年7月10日(月曜日)9時からの開会式に引続いて,10時40分から13時まで,F.May(ドイツ)司会のもとに,講演者としてE.W.Goodwin(アメリカ),R.Shackman(イギリス)およびJ.Poisson(フランス),追加発言者としてG.W.Fish(アメリカ),G.De Campos Freire(ブラジル),J.Gil-Vernet(スペイン),H.Ekman(スエーデン),G.Nisio(イタリー),H.Hoeg(ノルウェー),J.Swinney(イギリス),St.Wesolowski(ポーランド)およびF.Romero Aguirre(スペイン)から成るシンポジウム「人における腎移植」が行なわれ,さらに昼の休憩後14時から16時までR.Kuss(フランス)司会のもとに,G.Alexandre(ベルギー),J.Daus-set(フランス),V.Harrison(イギリス),J.Murray(アメリカ)およびTh.E.Starzl(アメリカ)の各演者によつて,腎移植についての円卓討論会が行なわれた。
 腎移植に関する臨床的ならびに実験的研究は,今や全世界において広く行なわれている現状ではあるが,その大半はアメリカにおけるものであり,したがつて,今回の学会において印象的な発言の多くはアメリカ学者によるものであつた。

慢性腎盂腎炎

著者: 宮崎重

ページ範囲:P.852 - P.854

 7月13日,曇時々晴,気温22℃位。午前8時少し前会場に着く。今日は既に第5日目で,腎移植,腎(血管)性高血圧症,尿路結石溶解等の興味を持たれた演題も既に終了しているので,学会最初の頃と比らべると出席者も大分減つているようであつたが,それでも午前8時から上映されたDr.T. Fuchs (西独)の「慢性腎盂腎炎殊にその診断と治療について」と題する映画が終了する頃にはかなりの会員が会場につめかけていた。この映画はベーリンガー社の援助の下に作られたもので,略図を多く用いて腎盂腎炎をわかりやすく説明しており,学生,インターン等の教材,あるいは泌尿器科専門医以外の医師の会合等に利用すれば大変有用であろうと思われた。
 午前9時からは,いよいよ本題の「慢性腎盂腎炎」のシンポジアムがDr.D.M.Davis(米国)の司会の下に開始された。最初演者にはDr.P.Naumann(西独),Dr.O.Olssen (スエーデン),Dr.G.F.Murmaghan(オーストラリア),Dr.O.Krivec(ユーゴスラビア),Dr.V.Zvara(チェコスロバキア)の5人が予定されていたが,Dr.Olssenの「腎盂腎炎の血管造影像」という演題は都合によつて欠題となり,他の4人によつてシンポジアムが行なわれた。

尿路結石の溶解

著者: 宮崎一興

ページ範囲:P.854 - P.856

 尿路結石を非観血的療法で治療するということは人類の多年にわたる夢であるが,各種尿路結石の発生機序が極めて複雑多岐で,まだ明快な説明が成し得ないことと相俟つて,保存的治療に関しても各種結石に有効な決定的方法はまだ開発されてはいない。しかしながら,結石を手術によらず,内服薬あるいは溶解液の灌流によつて解決してゆこうとする努力は少しずつ成果を挙げて来ており,例えば尿酸結石では現在,尿のアルカリ化療法が極めて有効で,手術を要する例が極めて少なくなつたという報告に多く接する。また数年前,アメリカを中心に繁用された溶解剤Renacidinは外用溶解剤の決定版かと思わせる程であつたが,副作用の点で顧みられなくなつたこともまだ我々の記憶に新しい。最近では十数年前に外用溶解剤として脚光を浴びたEDTA剤が緩衝剤との併用という形で再びとり上げられ,かなり効果を挙げており,まだこの方面の発展に希望を抱かせるものである。このような情勢において,私は今回第14回国際泌尿器科学会において"Dissolving of urinary tract calculi"と題するRound Table Discussionを見聞する機会を得たので,その討論の大要をここに抄録してみたいと思う。何分,円卓討論形式であるため,手元に全く抄録が得られず,メモに頼るより方法がないので仔細については不完全をまぬかれぬことを予めおことわりしておく。

自由演題

著者: 小柴健

ページ範囲:P.856 - P.858

 自由演題は学会2日目の7月11日から14日までの4日間にわたつて,午前中に予程されたシンポジウムやラウンドテーブル・ディスカッションなどの主題の終了した後に,主として午後に行なわれた。国別による演題数のうちわけは,日本とスペインが最も多く各9題ずつ,ついで英国の8題,メキシコ,ユーゴスラビヤの各5題,米国3題,西独,イタリー,アイルランド,ギリシャ,チェコスロバキヤ,ブラジル,インド各2題,スウェーデン,フィンランド,ハンガリー,ルーマニヤ,ポーランド,トルコ,ペルー,パラガイ,キューバ各1題と,参加45カ国中の22カ国から合計62題の講演が行なわれた。
 なお,11日と13日の両日には,主会場で行なわれた自由演題や学術映画の上映と併行して,第2会場においても合計26題の講演が行なわれた。そのため,筆者としても全部の演題を直接聞くことができたものでないことをあらかじめおことわりしておく。

Urological Letter

剔出後の前立腺窩中へのpackは熱いのが良いか冷たいのが良いか,他

ページ範囲:P.858 - P.858

 前立腺剔除後,その窩に熱いpackを10分間整然と詰めておくことは大部分の泌尿器科医の普通のならわしである。パッキングの目的は止血のためと,前立腺カプセルを収縮させるための筈である。ところが数カ月前にその処置をしていた時,麻酔医が熱いパッキングの意味を質問した。この質問で著者は包茎手術のとき皮膚創縁を縫合する前に血管を拡張させてすべての出血点を探すために温いか,あるいは熱いガーゼを創面に当てることを思い出した。もしこの方の理窟が正しいとすれば,出血を少なくしようとするのになぜ前立腺窩に熱いガーゼを入れるのであろうか。また,熱いガーゼを入れることで前立腺カプセルが収縮するだろうか。もしこれで収縮するのであれば,攣縮を緩解するために何故その部位にHot Applicationsをするのであろうか。
そこでそれ以来数カ月間,前立腺窩に乾いたガーゼあるいは冷たい濡らしたガーゼを入れてためしてみた。この実験で分つた限りでは,乾ガーゼでも冷たい濡らしたガーゼでも,これらを用いたあとでカプセルは収縮し,小血管からの出血は止つたが大血管からの出血には効果がなかつたということである。こうしてみるとHot packを前立腺窩に入れることは意味があり,有効であるのであろうか?

検査法

経仙骨的後腹膜腔気体撮影法

著者: 後藤甫 ,   西尾徹也 ,   徳原正洋 ,   中久喜茂也 ,   仲宗根繁

ページ範囲:P.859 - P.862

Ⅰ.はじめに
 後腹膜腔に気体を注入して腎の輪廓をレ線学的に描出せんとするこころみは,Rosenstein (1921)の創案によるpneumoren(perirenal insufflation)にはじまる。その後Rivas(1947)により創始され,Gennes等(1950)により改良されたpneu-moretroperitoneum(presacral insufflation)が簡単で,かつ安全確実なため,現在では広く各国でおこなわれている。本邦でも大越,高安,土屋,荒川等の詳細な報告以来,全国的に普及してきた。しかしRivasのpneumoretroperitoneumには不自然な体位による患者の不安感,指を肛門に挿入するための術野の汚染等2・3の欠点がある。Schnur & Sakson(1965)が創案したtranssacralretroperitoneal pneumography(経仙骨的後腹膜腔気体撮影法)は腹臥位という比較的自然な体位で注入が施行されること,穿刺部位を清潔にたもちやすいこと,安全確実であること等の利点をもつている。われわれはこの方法を若干の臨床例に追試したので報告する。

原著

腎悪性絨毛上皮腫の1例

著者: 大堀勉 ,   小柴健 ,   村本俊一

ページ範囲:P.863 - P.867

Ⅰ.緒言
 悪性絨毛上皮腫は転移性の腫瘍で,生殖器以外の諸臓器にも高率に転移をみることは周知の事実である。しかし,腎に転移した悪性絨毛上皮腫が腎腫瘍の症状を初発症状として発病する場合は極めて少ないといわれている。我々は最近,悪性絨毛上皮腫により子宮単純全摘除術を受けた患者が,2ヵ月後に右側腹部痛と血尿を主訴として来院し,手術の結果,悪性絨毛上皮腫の腎転移と判明した症例を経験したので,ここにその概略を報告し,併せて若干の文献的考察を加える。

骨形成を伴つた発育不全腎

著者: 安藤弘 ,   古川元明 ,   町田豊平 ,   鈴木良二

ページ範囲:P.869 - P.874

Ⅰ.緒言
 発育不全腎は,最近の泌尿器科的検査法の進歩とともに,決してまれな疾患とはいえなくなつた。しかし,本症に骨形成が伴うことは,非常にまれである。斯波1)らは,本邦報告発育不全腎113例を集めて統計的観察を試みているが,そのうち完全な骨髄を有する骨形成腎は,1例のみである。また,黒土2)らは巨大石灰化嚢腫の一部に骨化を伴つた発育不全腎の1例を報告した。欧米においては,Harrison3),Tedeshi & Holtham4), Abe—shouse5)らの報告がある。最近我々は,骨形成を伴つた発育不全腎を経験したので,若干の文献的考察と併せて報告する。

尿管結石を合併せるsarcoidosisの1例

著者: 川倉宏一 ,   勝目三千人 ,   三国主税

ページ範囲:P.875 - P.878

Ⅰ.緒言
 sarcoidosisはBockの類肉腫症とも呼ばれ,各種の器官に類上皮細胞肉芽腫を生じ,それに伴う様々な臨床症状を呈する全身疾患である。近年各科領域において本症の病態が検討されてきたが,未だその病因も解明されていない9)17)22)。とくに本症の泌尿器科的合併症に関しては報告も少なく未知の点が多い。最近本症に合併せる左尿管結石症の1例を経験したので自験例を中心にsarcoi-dosisの尿路合併症に関して若干の考察を行なつた。

尿管ポリープの1例—附 本邦報告例の統計的観察

著者: 白石祐逸 ,   草階佑幸

ページ範囲:P.879 - P.883

Ⅰ.はじめに
 尿管ポリープは尿管の粘膜下組織を基盤として発生し,尿管腔内に突出した有茎性の良性腫腸であり,以前は報告例も少なかつたが1960年以後増加の傾向にある。我々も終末時排尿痛を主訴として来科した症例を経験したので報告する。

陰茎折症の2例

著者: 弓削順二 ,   塚田収 ,   水谷栄之 ,   宮村隆三

ページ範囲:P.885 - P.888

Ⅰ.はじめに
 陰茎折症とは陰茎の海綿体白膜が断裂し,皮下溢血,血腫形成などを起こす陰茎の外傷で,勃起中に外力が加わつて起こるものが殆んどである。本疾患の報告は比較的まれで本邦における報告は,我々の調べ得た範囲では僅か,37例にすぎない。我々は最近本症の2例を経験したので,ここに報告し,簡単な文献的考察を試みた。

陰茎ゴム腫の1例

著者: 瀬野俊治 ,   鈴木唯司

ページ範囲:P.889 - P.892

Ⅰ.緒言
 最近顕症梅毒の増加が指摘されているが,我々は最近比較的まれな陰茎ゴム腫の1例を経験したので報告する。

文献抄録

腎疝痛時の尿路撮影/安静臥床と尿中カルシウム(Ca)

ページ範囲:P.867 - P.867

 腹部の疝痛発作が腎による疝痛かいわゆる急性腹症といわれる腹膜内疾患によるものかの鑑別診断には疼痛発作後に行なう腎盂撮影は極めて有効である。著者は男子36人女子14人の疝痛発作患者にこの方法を施行してその疝痛発作の原因診断について優れた方法であることを述べている。患者は急を要するので特に腸管に対する準備処置はせず稀に灌腸を行なった。疝痛時の排泄性腎盂撮影は5分,12分時のIVPを撮る。この時期の腎盂尿管像の特徴はNephro-gramで腎全体が拡張し腎盂尿管は水腎水尿管を呈しかつ造影剤の排泄遅延が認められる。この点で急性腹症の腹腔内疾患と見分けることができる。著者は50症例のフィルムを検討して86%に尿流障害を見出し,その大部分は尿路結石であったが,腎膿瘍・尿溢流現象が疝痛の原因となっていた症例もあった。一般に腎疝痛時にはNephrogramで平均1.23cmの腎肥大が認められた。しばしばおこる腎疝痛では発作時の腎盂撮影でレ線陰性結石,尿管狭窄像などが発見し易い。

新薬治験

ロイクロン内服による各種尿路感染症の治療

著者: 斎藤豊一 ,   足立卓三 ,   松岡俊介

ページ範囲:P.899 - P.900

Ⅰ.緒言
 各種抗生物質の普及にともない,耐性菌の出現,増加が問題となつている。今後もマクロライド耐性菌がますます増加すると予想されるが,その対策の1つとして考えられるのが合剤である。
 ロイクロンカプセルは北里研究所の泰藤樹博士によつて発見された放線菌Streptmyces kitasatoensis Hataの産生するマクロライド系抗生物質ロイコマイシンと広範囲の抗菌スペクトラムを有するクロラムフェニコールを同比率に配合した新しい広範囲複合抗生物質製剤で,両抗生物質相互の協力作用によつて,諸種病原微生物に対して強い抗菌力が示され,また耐性菌の出現はロイコマイシン,クロラムフェニコールのそれぞれ単独の場合に予想されるより少ない。

泌尿器科手術殊に前立腺手術におけるGelfoamの応用

著者: 蔡衍欽 ,   小幡浩司 ,   吉田和彦 ,   杉本高峯 ,   石川文易

ページ範囲:P.903 - P.904

Ⅰ.はじめに
 Gelfoamは吸収性ゼラチンで日本アプジョン社より発売され,LightおよびPrenticeが脳外科手術にこれを局所止血剤として使用した。1947年Jenkins等は,実験的に犬の心臓の止血にGelfoamを使用している。泌尿器科領域では1947年Mac Donald等が,前立腺手術と腎手術にGelfoamを使用し,HeckelおよびWallerはT.U.R.P.に使用している。また本邦では1965年河辺等が前立腺摘出術および腎生検にGelfoamを使用している。
 我々は局所止血剤であるGelfoamの止血効果を試みるため,名古屋第一赤十字病院泌尿器科入院患者12例(前立腺摘出術9例,マーシャルマッケッティ氏手術1例,副睾丸摘出術1例.膀胱切石術1例)に対しGelfoamを局所に使用し,良好なる成績を得たので報告する。

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日本泌尿器科学会の変遷(10)

著者: 田村一

ページ範囲:P.905 - P.906

—学会規則及び役員について(2)—
 然し会則の具体的な成果が出来ない中に第二次世界大戦に入り,次いで終戦後の疲弊混乱に際会して会則改正の問題も一応立消えの如き状態になつた。然しその間に昭和24年4月3日東大内科講堂に開催された第37回総会の時に市川会長は今後会務を処理すべき理事を新たに設けることをはかり,市川篤二,渡辺一郎,田村一,北川淏,土屋文雄の5名が就任した。又名古屋での第45回総会(昭和32年3月30〜31日)の評議員会で本会規則の改正が論じられ,同年6月の第48巻461頁に一応皮膚科学会定款に比肩する詳細且つ整然たる改正案が載せられている。更に46回総会(熊本,昭和33年3月29〜30日)の評議員会で理事会に東部,中部,西部地区からの参加を廻ぐつて規則改正の討議があつた。かかる状勢で再び規則改正の気運が再燃して来た。そして第50巻670頁に市川理事長の名で具体的な改正案が掲載された。これは第48巻に掲載されたものと常議員を削除する等多少の相異がある。これに対して会員の意見をもとめ評議員会で検討する旨を附記してあるが,これがそのまま決定して漸く次の如き整然たる本学会々則の誕生をみたのである。

外国文献

ページ範囲:P.910 - P.911

INVESTIGATIVE UROLOGY Vol.4, No.6, May 1967
Pharmacologic Evaluation of Ureteral Smooth Muscle: A Technique for Monitoring Ureteral Peristalsis.D.L.Boalman, M.L.Lewin, D.A. Culp, and R.H.Flocks 509
The Vesicorenal Reflex.Bernard Lytton, David J.Kupfer, and Allen R.Traurig 521

内国文献

ページ範囲:P.911 - P.911

副腎,後腹膜
 ○ Pheochromocytomaの麻酔経験,尾山力:外科治療,17;(1),103, 1967.

随筆

外国の学会と私

著者: 市川篤二

ページ範囲:P.907 - P.908

 本年7月ミュンヘンで開かれた国際泌尿器科学会(SIU)第14回会議には,わが国から会員とオブザーバーとで合計30余名が出席したから,学問的な内容については,これら多数の方々から次第に伝えられるであろうから私はそのことには敢て触れないでおく。この会議で次回が1970年東京と決定したのでわが国からの出席会員一同,重荷を感じながらも東洋における近代科学の指導者として本懐の至りと感じたことも亦事実である。わが国の泌尿器科を早く皮膚科と明らかに分離し,国際的水準にひきあげるべく同志と共に永年努力して来た私は,他方においては機会ある毎に外国の学会に出席し,学問の精進に力めると共に,外国の同学の士と知り合うことにも力めた。第2次世界大戦に妨げられて数年間の空白があつたのは残念であるが,こんなことにも熱をあげた一人の男,私の学会遍歴をこの機会に書いてみたい。
 1927年に大学を卒業して泌尿器科に志した私は,皮膚科と共存していた当時の教室の在り方に不満を感じつつも1931年には講師として泉橋慈善病院(東大第二医院の後身,三井厚生病院の前身)の皮膚科泌尿器科部長となり,1936年,勤続5年を理由に海外出張の機会を得た。これは病院としての慰労休暇的なもので到底私の希望に叶う留学といつたものではなかつたので,家庭の補助を加え漸く1年間の出張にまでこぎつけた。

教室だより

鳥取大学

著者: 西尾徹也

ページ範囲:P.909 - P.909

 山陰地方に医学校が創立されたのは,昭和20年の二次大戦中で,軍医養成という軍の強い要望にこたえて,当時の小学校が移管改造され,米子医学専門学校として発足した。戦後ひきつづき,昭和21年には,米子病院が附属病院となつた。この米子病院はいくたびか病院名の変遷はあつたが,明治26年に創立された山陰地方では由緒ある病院であつた。歴代病院長の中には東大名誉教授高橋明氏の兄君がおられ,氏も御幼少の頃当地にしばらく在住されたようである。
 皮膚泌尿器科教室が開講されたのは昭和21年で,九州帝国大学泌尿器科教室の助教授であつた,吉田重春氏が初代教授となられた。米子医学専門学校を大学に昇格させるか否か文部省でかなり論議されたようであるが,当時の校長であつた下田光造先生はじめ関係者の絶大な尽力によつて,どうやら無事に昭和23年に米子医科大学に昇格し,また26年には鳥取大学医学部になつた。

基本情報

臨床泌尿器科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1332

印刷版ISSN 0385-2393

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