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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科21巻10号

1967年10月発行

Urological Letter

剔出後の前立腺窩中へのpackは熱いのが良いか冷たいのが良いか,他

ページ範囲:P.858 - P.858

文献概要

 前立腺剔除後,その窩に熱いpackを10分間整然と詰めておくことは大部分の泌尿器科医の普通のならわしである。パッキングの目的は止血のためと,前立腺カプセルを収縮させるための筈である。ところが数カ月前にその処置をしていた時,麻酔医が熱いパッキングの意味を質問した。この質問で著者は包茎手術のとき皮膚創縁を縫合する前に血管を拡張させてすべての出血点を探すために温いか,あるいは熱いガーゼを創面に当てることを思い出した。もしこの方の理窟が正しいとすれば,出血を少なくしようとするのになぜ前立腺窩に熱いガーゼを入れるのであろうか。また,熱いガーゼを入れることで前立腺カプセルが収縮するだろうか。もしこれで収縮するのであれば,攣縮を緩解するために何故その部位にHot Applicationsをするのであろうか。
そこでそれ以来数カ月間,前立腺窩に乾いたガーゼあるいは冷たい濡らしたガーゼを入れてためしてみた。この実験で分つた限りでは,乾ガーゼでも冷たい濡らしたガーゼでも,これらを用いたあとでカプセルは収縮し,小血管からの出血は止つたが大血管からの出血には効果がなかつたということである。こうしてみるとHot packを前立腺窩に入れることは意味があり,有効であるのであろうか?

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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