文献詳細
原著
文献概要
Ⅰ.緒言
悪性絨毛上皮腫は転移性の腫瘍で,生殖器以外の諸臓器にも高率に転移をみることは周知の事実である。しかし,腎に転移した悪性絨毛上皮腫が腎腫瘍の症状を初発症状として発病する場合は極めて少ないといわれている。我々は最近,悪性絨毛上皮腫により子宮単純全摘除術を受けた患者が,2ヵ月後に右側腹部痛と血尿を主訴として来院し,手術の結果,悪性絨毛上皮腫の腎転移と判明した症例を経験したので,ここにその概略を報告し,併せて若干の文献的考察を加える。
悪性絨毛上皮腫は転移性の腫瘍で,生殖器以外の諸臓器にも高率に転移をみることは周知の事実である。しかし,腎に転移した悪性絨毛上皮腫が腎腫瘍の症状を初発症状として発病する場合は極めて少ないといわれている。我々は最近,悪性絨毛上皮腫により子宮単純全摘除術を受けた患者が,2ヵ月後に右側腹部痛と血尿を主訴として来院し,手術の結果,悪性絨毛上皮腫の腎転移と判明した症例を経験したので,ここにその概略を報告し,併せて若干の文献的考察を加える。
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