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原著
—性生活調査成績 第2報—男子不妊症患者の性生活について
著者: 白井将文1 松下鈆三郎1 加賀山学1 一條貞敏1 竹内睦男1
所属機関: 1東北大学医学部泌尿器科学教室
ページ範囲:P.967 - P.971
文献購入ページに移動第2次大戦後我が国においては性解放が叫ばれ,誤れる性知識の氾濫に伴つて多くの性的ノイローゼ患者が出現したことは周知の事実である。一方では性知識の普及により不妊を主訴として泌尿器科医を訪れる患者も年々増加の一途を辿りつつある。これら患者に対しては従来主として精液検査,睾丸組織検査,諸内分泌学的検査等が行なわれ精神的因子に対する検索は全く行なわれなかつた。
しかしLane1),Fischer2),Morris3),Abse4)等が精神的因子も不妊の重要な要因となり得ることを明らかにするに至り,従来とは全く別な見地より不妊の原因を考えなおす必要に迫られている。そこで私達は1つの試みとして従来とかく疎にされてきた不妊患者の性生活の問題,精神身体的な問題,すなわち不妊患者の性生活の実態を具体的に知ることにより,その中に不妊の原因となる要因がひそんではいないか,一方では不妊であるという事実が精神的な負担となり,これが性生活の上に何らかの影響を及ぼしでいないかどうかを調査することにより不妊の原因解明への手がかりをつかもうと考えた。
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