文献詳細
Urological Letter
文献概要
腰椎々間板手術のあとに長くつづくイレウスの患者をみたら,尿管損傷を一応疑うべきである。この診断は手術の約3週後につけられるのが普通である。この損傷の可能性のある患者を最近の対診でみつけえた。その患者は仙骨前に尿が溜まって触診できる程になつていた。排泄性腎盂像を撮つてみると両側の水腎症がみられたが,他には何も分らなかつた。そこで逆行性腎盂像を撮つてみると腰椎第4から第5の高さで尿管瘻のあることが分つた。この例は幸に早期に診断がついたので,入院日数も短かく患者の苦痛も早くとり除いてやれた。Sandoz andHogesは同様の症例(J.Urol.93:689, 1965)を報告している。HODGESの例は第3例目である。椎間板手術の合併症として,大血管の損傷は100例以上報告されているが尿管損傷は稀である。併しこれのおこる可能性を考慮しておくことは大切である。
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