文献詳細
泌尿器科図譜・242
文献概要
患者 54才,男(65-1238)公務員。
現病歴 2ヵ月前からの膀胱症状を主訴として来院し,左腎の上腎杯に閉塞しかかつた結核性空洞か発見された(第1図矢印)。これまで元気に配達業務に精励しており,息ぎれ,心悸亢進など起こしたことなく,入院後の検査でも血圧正常で心肥大はない。左腎を部分切除することになり,術前検査として経腰部大動脈撮影法を施行した。最初の撮影は失敗で,5回にわたつて穿刺し,しかも造影剤の大部分を大動脈外に漏出させてしまつた。しかしよく見ると,腎動脈がかすかに描出されており,これには静脈への流入はみられない。3日後に再試したのであるが,この際得られた連続撮影の中の2枚が第2〜3図である。造影剤は大動脈に注入されはじめてから約1秒で腎静脈に入り,ついで下大静脈に流入してうすめられている。動静脈の吻合部は穿刺針の刺入方向上にある。
現病歴 2ヵ月前からの膀胱症状を主訴として来院し,左腎の上腎杯に閉塞しかかつた結核性空洞か発見された(第1図矢印)。これまで元気に配達業務に精励しており,息ぎれ,心悸亢進など起こしたことなく,入院後の検査でも血圧正常で心肥大はない。左腎を部分切除することになり,術前検査として経腰部大動脈撮影法を施行した。最初の撮影は失敗で,5回にわたつて穿刺し,しかも造影剤の大部分を大動脈外に漏出させてしまつた。しかしよく見ると,腎動脈がかすかに描出されており,これには静脈への流入はみられない。3日後に再試したのであるが,この際得られた連続撮影の中の2枚が第2〜3図である。造影剤は大動脈に注入されはじめてから約1秒で腎静脈に入り,ついで下大静脈に流入してうすめられている。動静脈の吻合部は穿刺針の刺入方向上にある。
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