文献詳細
綜説
文献概要
Ⅰ.はじめに
腎・腎盂の奇形はその発生過程の複雑さのため他臓器の奇形に比して頻度も高く,かつ多彩な病像を示してくる。しかしその多くは偶然に発見されるか,合併症を伴つて症状を呈するためかであって奇形自体が臨床上問題となることは少ない。他方両側性先天性水腎症を始めとする2〜3の疾患では個体の生命,発育に重篤な影響を及ぼすもので,奇形そのものが治療の対象として臨床上の問題を提起してくる。今回は我々が最近経験せる疾患を中心に臨床的な考察を加えてみたいと思う。
腎・腎盂の奇形はその発生過程の複雑さのため他臓器の奇形に比して頻度も高く,かつ多彩な病像を示してくる。しかしその多くは偶然に発見されるか,合併症を伴つて症状を呈するためかであって奇形自体が臨床上問題となることは少ない。他方両側性先天性水腎症を始めとする2〜3の疾患では個体の生命,発育に重篤な影響を及ぼすもので,奇形そのものが治療の対象として臨床上の問題を提起してくる。今回は我々が最近経験せる疾患を中心に臨床的な考察を加えてみたいと思う。
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