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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科21巻4号

1967年04月発行

文献概要

検査法

腎機能検査の実際について

著者: 志田圭三1 林朴一1 加藤宣雄1

所属機関: 1群馬大学医学部泌尿器科教室

ページ範囲:P.333 - P.345

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Ⅰ.緒言
 腎機能障害症例を対象とし,腎機能保全を使命とする泌尿器科臨床医にとって,腎機能検査ほど重要な診断部門はない。しかしながらその実情においては,医学の進歩にもかかわらず,腎病態生理の解明は他分野に比してはるかにおくれ,未解決の問題が山積している。近年ようやく腎の尿生成の機構に対しても最新科学のメスが加えられ,対向流増幅機構の解明,尿細管機能の酵素化学的検討が行なわれ,さらに診断法についても放射性同位元素と医用電子装置の組合せによる手技の導入をみ,ようやくみるべき発展を示している。
 腎は,①尿を生成することにより,代謝終産物を排泄,水・電解質バランスを保持,酸・塩基平衡調節を行なっているのみではなく,②昇圧物質(レニン等)ならびに降圧物質をも分泌することにより血圧調節に関与している。また,③エリスロポエチン分泌によって造血機構にも参画している。本稿においては,問題を尿生成に限定し,腎病態生理の最近の進歩を紹介,あわせて著者等の経験を加えて腎機能検査の実際についてのべてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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