文献詳細
原著
文献概要
Ⅰ.緒言
1916年Hans Reiterが諸関節の疼痛と粘液血性下痢便を前駆症とし,尿道膀胱炎,両眼結膜炎,発熱をきたした1例を報告した。尿道分泌物に淋菌を証明せず,血中より一種のスピロヘータを検出して,Spirochaetosis arthriticaの名の下に発表し,ネオサルバルサンで治癒せしめている。その後類似の症状を呈する症例が次々と報告され,かかる症例はライター氏病と称せられるに至つた。本邦では黒田が初めて発表し,1960年に八田はそれまでの6例をまとめて発表しているのみで稀な疾患である。最近我々は典型的な1例を経験したので報告する。
1916年Hans Reiterが諸関節の疼痛と粘液血性下痢便を前駆症とし,尿道膀胱炎,両眼結膜炎,発熱をきたした1例を報告した。尿道分泌物に淋菌を証明せず,血中より一種のスピロヘータを検出して,Spirochaetosis arthriticaの名の下に発表し,ネオサルバルサンで治癒せしめている。その後類似の症状を呈する症例が次々と報告され,かかる症例はライター氏病と称せられるに至つた。本邦では黒田が初めて発表し,1960年に八田はそれまでの6例をまとめて発表しているのみで稀な疾患である。最近我々は典型的な1例を経験したので報告する。
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