臨床泌尿器科21巻4号

1967年04月発行

原著

膀胱に原発せる多形細胞肉腫の1例

著者： 小松奎一¹ 佐々木昭²

所属機関： ¹弘前大学医学部泌尿器科教室 ²弘前大学医学部第一病理学教室

ページ範囲：P.371 - P.377

Ⅰ．緒言
　膀胱の悪性腫瘍の大部分は癌腫であり，肉腫の頻度は0.2〜2.0％と少なく，なかんずく多形細胞肉腫は1937年上月^（i）および1949年兼松^（ii）の報告例があるのみで非常に稀な疾患である。最近我々は膀胱に原発した多形細胞肉腫の1例を経験したので報告し，併せて本邦における原発性膀胱肉腫の集計を試みたので報告する。