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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科21巻5号

1967年05月発行

Urological Letter

恥骨後式根治的前立腺剔除術後の安全な留置カテーテル法,他

ページ範囲:P.446 - P.446

文献概要

 以前の良くなかつた1経験例から技術的改良を思いついた。30ccのバルーンカテーテルはドレナージと,尿道と膀胱との連絡を保持するに役立つ。1人の患者でカテーテルを術後4日目に不注意に抜去されたことがある。膀胱鏡下に再停留しようとしたが失敗して,膀胱を開いて再停留した。そしてこの留置カテーテルを恥骨上から入れたチューブに結び付けて抜けないようにした。二次的手術をしたために術後経過は長かつた。この経験から技術的な改良を続けることを思いついた。
 前立腺を完全に剔除したうえ膀胱と尿道端とを再吻合する前に膀胱切開して#28Fあるいは30番の5cc入りのバルーンのついたものを入れる。これを尿道から入れた30ccのバルーンカテーテルの尖端と縫合し,両方のバルーンを膨らませておく。こうしておくと,1つのバルーンが何かの原因で萎んでも,どちらのカテーテルも尿路から抜け去ることはない。また患者がどちらかのカテーテルを抜こうとしても抜けない。術後7日から8日目に恥骨上から入れたカテーテルのバルーンを萎ませた上で,少し引き出し,下からのカテーテルとの縫合糸を切つて引き抜く。下からのカテーテルの先を再び膀胱内に引き戻しておけば恥骨上の創は自然に治癒する。恥骨上の創からの漏れがなくなり,膀胱と尿道の吻合が完全になつたら下からのカテーテルも抜去する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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