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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科21巻6号

1967年06月発行

検査法

リンパ系撮影法

著者: 後藤薫1 伊藤鉦二1

所属機関: 1岐阜大学医学部泌尿器科教室

ページ範囲:P.533 - P.539

文献概要

Ⅰ.はじめに
 リンパ系撮影法は間接法と直接法に大別され,前者では皮下結合織内,腹腔内,後縦隔洞内,子宮旁結締織内に,最近ではThompson(1966)1)によるethiodolのoil-water emulsionの等滲透圧液を皮下,筋肉内に注入しているが,造影が不充分であるために臨床的応用に至つていない。後者では皮切後リンパ節に注入するものと,皮膚上より直接刺入するものであるがこれは腫大したリンパ節のみに適用される。この方法は所属リンパ節を均一に描出できないこと,リンパ管外溢流の多いこと,水溶性造影剤でも相当な圧力を必要としリンパ節の機械的損傷も認められること等の欠点により,臨床上の適応はZheutlin&Sham-bron (1958〜1959)2)までの報告にとどまつていたが,最近出月(1966)3)らによる小児への応用が認められる。
 Kinmonth(1952〜1957)4)らによつて報告された皮切的直接リンパ管内注入法は広く臨床に用いられ,内外ともに多数の報告が認められる。本法は1)下肢,骨盤,後腹膜,胸管リンパ系にとどまらず,2)上肢,腋窩部,鎖骨上窩リンパ系,3)乳房,その周囲,腋窩リンパ系,4)耳介後部リンパ管,5)腸間膜リンパ管,6)胃リンパ管,7)陰莖背面リンパ管,8)精系リンパ管などに造影剤の注入が行なわれている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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