文献詳細
原著
Congenital unilateral multicystic kidneyの1例
著者: 関野宏1 木村行雄1 土田正義1 沼沢弘2
所属機関: 1東北大学医学部泌尿器科学教室 2長井市立病院内科
ページ範囲:P.617 - P.621
文献概要
Congenital unilateral multicystic kidneyという疾患は,1936年Schwartz1)の命名によるものであるが,本邦では一般に先天性偏側性多嚢腎と呼称されている。
本症は,主として小児にみられる先天性の嚢胞性腎疾患であり,極めて興味深い特微的所見をもつている。しかしながら,その報告例が非常にまれであるために,従来多くの人の注意を惹くに至らず,欧米の文献上でも過去に数十を数えるのみで,しかも本症を認識せずに他の疾患と混同して報告している例が少なくない。本邦における報告はさらに少なく,私どもの検索で明らかに本症と認められるものは,わずかに2例を数えるにすぎない。
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