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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科21巻9号

1967年09月発行

原著

神経因性膀胱に対する外尿道括約筋切開術

著者: 黒田一秀1 猪野毛健男1 阿部弥理1 西田亨2 中野幸雄2

所属機関: 1北海道大学医学部泌尿器科教室 2美唄労災病院泌尿器科

ページ範囲:P.809 - P.812

文献概要

 外傷性脊髄損傷による神経因性膀胱機能障害患者の尿路管理は原則として保存的治療方針をとるべきであり,頸髄損傷以外では外傷直後より適正な尿路管理を行なつておれば特別な神経外科的または泌尿器科的手術療法の必要なしに一定期間後ほぼ満足すべき排尿状態に至るものが多い。しかし中には保存的療法のみではいつまでたつても効率良好な膀胱を斎らすことができない例もあり,特に外傷直後の尿路管理不良の場合は何等かの積極的排尿効率改善手術を必要とする例が多くなる。
 外尿道括約筋切開術は,Ross, Damanski & Gi—bbon (1958,A,B)が積極的排尿効率改善手術の1つとして提唱したものであるが,彼等が最初に発表した時の成績は必ずしも良好とは言えなかったため多くの追試をうけるわけにはいかなかった。しかしその後の技術的改良により彼等の1963年の発表では成績は飛躍的に向上し,更に1965年の成績では外尿道括約筋切開術57例中86%に満足すべき排尿をみとめているという。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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