文献詳細
原著
両側性睾丸悪性腫瘍の1例
著者: 赤坂裕1 今村一男1 甲斐祥生1 中西欽也1 丸山行孝1 菅孝幸1 近藤常郎1 中川長生1 落合元宏1
所属機関: 1昭和大学医学部泌尿器科学教室
ページ範囲:P.49 - P.56
文献概要
睾丸腫瘍は現在では決して稀な疾患ではない。その悪性腫瘍も,教室が1964年に行なつた全国統計1)で464例の多きを算している。しかしながら睾丸腫瘍のうち,両側睾丸に発生した悪性腫瘍は非常に稀なものであり,かつ,その病理組織像を両側異にするものは更に珍らしい。本邦ではその記載を4例認めるに過ぎず,欧米においても,わずか10例を算するのみである。
最近,われわれも36才の男性に,左右の組織所見を異にする睾丸悪性腫瘍を発生した1症例を経験したので,その症例報告とともに,若干の考察を行なつてみたい。
掲載誌情報