文献詳細
原著
Klinefelter症候群の1例
著者: 白井将文1 松下鈆三郎1 加賀山学1 一條貞敏1 竹内睦男1
所属機関: 1東北大学医学部泌尿器科学教室
ページ範囲:P.57 - P.61
文献概要
1942年Klinefelter, Reifenstein and Albrightら1)により初めて本症候群が記載されて以来数多くの報告がなされ,近年染色体の分析が可能になるにつれて本症に対する考え方も大きな変化をきたした。すなわち従来本症は一般の半陰陽にみられるごとく中間的ないし両性的な特徴が少ないためHypogonadismとして取扱われることが多かつた。しかし現在では半陰陽の大きな原因的因子は性染色体の構成異常であるという考え方が一般に行なわれており従つて本症も性染色体構成異常を伴う半陰陽として理解されるようになつた。
私達は最近性器発育不全を主訴として来院し検査の結果Klinefelter症候群と判明せる1症例を経験したので,その概要について報告するとともに多少の文献的考察を試みた。
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