文献詳細
原著
文献概要
Ⅰ.緒言
後腹膜腫瘍症例は近年比較的頻繁に報告されている。後腹膜腫瘍は副腎外褐色細胞腫を除き,ほとんどの場合,腫瘍それ自体の症状を欠き,著しく増殖してのちはじめて,腹部膨満,腫瘤触知,等により発見されることが多い。したがつてその発生より来院までの期間の長いことが,治療上の一つの問題点ともなつている。
後腹膜腫瘍は後腹膜腔の諸組織を発生母地とするため,その種類は多い。それら諸腫瘍のうち,脂肪肉腫に関して,本邦と欧米ではその頻度において大きな差がみられる。すなわち欧米では後腹膜腫瘍のうち,脂肪肉腫は最も頻度が高いとされているが1),本邦では極めて少数のものが報告されているにすぎない2)。
後腹膜腫瘍症例は近年比較的頻繁に報告されている。後腹膜腫瘍は副腎外褐色細胞腫を除き,ほとんどの場合,腫瘍それ自体の症状を欠き,著しく増殖してのちはじめて,腹部膨満,腫瘤触知,等により発見されることが多い。したがつてその発生より来院までの期間の長いことが,治療上の一つの問題点ともなつている。
後腹膜腫瘍は後腹膜腔の諸組織を発生母地とするため,その種類は多い。それら諸腫瘍のうち,脂肪肉腫に関して,本邦と欧米ではその頻度において大きな差がみられる。すなわち欧米では後腹膜腫瘍のうち,脂肪肉腫は最も頻度が高いとされているが1),本邦では極めて少数のものが報告されているにすぎない2)。
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