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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科22巻10号

1968年10月発行

文献概要

原著

尿中β-Glucuronidase測定による職業性膀胱癌の早期診断の検討

著者: 近藤賢1 内藤政男1 杉浦啓之1

所属機関: 1関東労災病院泌尿器科

ページ範囲:P.769 - P.774

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Ⅰ.緒言
 癌の臨床における早期診断と早期治療の重要性はよく認められている。しかし初期癌は無症候性であるために,早期診断は重要であるにもかかわらず,実際には極めて困難である。膀胱癌においても早期診断の重要性と困難性とは癌全般についてと同じである。すなわち膀胱癌は膀胱鏡検査により的確に診断されるが,その時にはもはや早期診断とはいい難いほどに癌が進行していることが多い。したがつて膀胱癌の早期診断には多人数の中から膀胱鏡検査をうけるべき人を選別できるようなScreening testが確立されねばならぬ。
 膀胱癌は職業癌の代表的なものであり,わが国で確認されている唯一の職業癌である。すなわち膀胱癌は染料化学工場従業員という比較的限定された職業集団に多発することが知られている1)。したがつてその早期診断は産業衛生上,労務管理上の重要課題であり,その確立には多大の努力が払われてきた。その結果現在では尿の細胞診による早期診断法が確立している3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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