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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科22巻11号

1968年11月発行

原著

妊娠と上部尿路—附:Right Ovarian Vein Syndrome

著者: 井上武夫1 広川信1

所属機関: 1横浜市民病院泌尿器科

ページ範囲:P.887 - P.891

文献概要

Ⅰ.緒言
 妊娠により泌尿器は著明な解剖学的および機能的な変化を受ける。なかんずく,上部尿路の拡張および弛緩は特徴的で,尿路感染症の発生と密接な関係がある。水腎,水尿管については,妊娠子宮,胎児頭の圧迫,妊娠性ホルモンの影響があげられている。右側に頻発することについては,妊娠子宮は右転位右捻転し,ために右尿管が強く圧迫され,一方左側尿管はS状腸によつて保護されるためと考えられている。しかし,現在明確にこの原因を説明するものはないようである。
 私は3年前,Emmettの著書Clinical Urography(Saunders, 1964,2版)において,J.C.Clarkが妊娠と右水腎,水尿管について興味ある症例を発表し,この症候群をRight Ovarian Vein Syndrom(右側卵巣静脈症候群とでもいうか)と命名しているのを記憶していた。最近F.C. Derrik et al.(1967)が同様の4症例を報告している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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