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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科22巻12号

1968年12月発行

原著

2, 3, 5 triphenyl tetrazolium chrorideによる細菌尿の判定法(TTC試験法)

著者: 竹内弘幸1 石渡大介1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.935 - P.941

文献概要

Ⅰ.まえがき
 最近,腎盂腎炎の臨床的重要性に関連して,いわゆる細菌尿(bacteriuria)というものが注目されている。ここにいう細菌尿とは,単に鏡検によつて尿中に細菌が証明された尿という意味ではない。実際に活動性,あるいは,潜在的な活動性をもつ尿路の細菌感染が存在する場合のことである。従つて,たとえ,無症状でも,このような細菌尿が生じている場合は,尿路感染症を顕現させる危険が極めて高いことになる。しかも,この細菌尿は,糖尿病(Kass, 1960; Rengarts, 1960など),妊婦(Kaitzら,1960; Monsonら,1963など)などには,かなりの高率に認められていることが指摘されている。いずれにしろ,この細菌尿を放置すれば,これが原因となつて,重篤な腎盂腎炎,あるいは,腎機能不全とか,高血圧を誘発するに至ることが決して少なくない。細菌尿が重要視されてきているのもこのためである。
 それなら,どの程度の細菌が証明されればここにいう細菌尿と考えてよいか,この点について以前はかなり大まかに解釈されていた。また,採取に際しての外部からの細菌汚染(contamination)との区別についても,その制定はあいまいなものであつた。しかし,尿路感染症の臨床像と定量的な尿中の細菌数との関係について幾つかの詳しい研究が行なわれ,最近では,ほぼ次のような解釈と基準が一般に承認されるに至つている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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