文献詳細
特集(増刊号の)1 尿路の外傷と損傷
Ⅱ腎外傷
文献概要
腎皮下損傷の後遺症はさほど多いものとはいえない。しかし周知のように近時交通,スポーツ,工場災害などの頻発に伴つて腎外傷の症例も漸次増加し,さらにショック,感染に対する最近の治療法の目ざましい進歩のお蔭で高度腎傷害に際してもまず保存的な治療が行なわれる趨勢にある。このような理由で後遺症は今後ますます増加するものと考えられる。また後遺症はその鍾類,症状が多種多様で,軽症の場合は全く治療の対象とならないものも少なくないが,中には外科的治療によつて始めて治療の目的が達せられるような重大なものをも含んでいる。このような観点から腎皮下損傷の後遺症は腎外傷を論ずる上に極めて重要な命題ということができる。
掲載誌情報