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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科22巻13号

1968年12月発行

特集(増刊号の)1 尿路の外傷と損傷

Ⅳ膀胱の外傷および損傷

膀胱尿管逆流の発生と診断

著者: 川井博1

所属機関: 1日本医科大学泌尿器科学教室

ページ範囲:P.160 - P.165

文献概要

はじめに
 膀胱尿管逆流現象(以下VURと略)は膀胱内容が尿管ないし腎盂内に逆流する状態をいうわけであるが,この現象は既に1893年Pozziが手術時に損傷した尿管断端から膀胱尿の逆流することを報告した当時から知られていた。その後Voelcker,Lichtenberg(1906)あるいはBarley(1912)等によりX線学的に膀胱尿の逆流が確認されるようになつて一般にも注目されることになつた。以来この事象に対する研究は実験的にも臨床的にも多数報告されており,本邦においても既に20年前に堀尾により詳細な臨床研究が行なわれている。しかし最近再びこの問題が一般の関心をひくようになつたことは,VURが従来考えられていたよりも腎機能に与える影響,あるいは慢性腎盂腎炎の原因として重大な意義をもつことが明らかになつてきたためである。特に尿路損傷に伴つて見られる慢性尿路感染症の原因や持続にはVURの関係する所が大きいと考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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