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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科22巻13号

1968年12月発行

特集(増刊号の)1 尿路の外傷と損傷

Ⅴ尿道の外傷

尿道外傷時の出血とその診断

著者: 酒徳治三郎1

所属機関: 1山口大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.183 - P.188

文献概要

はじめに
 尿道外傷は解剖学的関係から男子に圧倒的に多く,女子では稀に産科婦人科の経腟的手術時損傷として見られるに過ぎない。男子尿道外傷は主として外からの鈍力によつて発生するが,時には経尿道的操作によることもある。損傷の程度としては極く軽度な挫傷から裂傷,高度なものには骨盤骨折を伴う破裂離断にいたるまで種々で,概して近位尿道の損傷の方が重篤である。損傷の部位も尿道膜様部membranous portionより近位の後部尿道損傷,尿道球部bulbの損傷および尿道陰茎部penile portion損傷の3型に大別される。
 尿道損傷に伴う出血には損傷部位より尿道内腔を経て外尿道口より外出血として現れるものと,内部に血腫を形成することがあり,両者が合併して見られるのが普通であるが,損傷の部位によつて発現の様相を異にする。出血の程度も軽微な場合から失血性ショックをひきおこすような重篤なものまで変動が多い。ここでは損傷の型とそれによる出血の特徴を中心として述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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