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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科22巻13号

1968年12月発行

特集(増刊号の)1 尿路の外傷と損傷

Ⅴ尿道の外傷

尿道外傷の救急形成手術法とその適応

著者: 井上武夫1

所属機関: 1横浜市立市民病院泌尿器科

ページ範囲:P.195 - P.200

文献概要

はじめに
 天井知らずの自動車事故の激増により,泌尿器科領域の外傷も次第に増加してきた。交通事故による尿道外傷は,骨盤骨折を伴うもので,多くは前立腺部の完全尿道破裂で非常に手こずるものである。さぞかし,治療や後遺症に困惑している医師も多いと思う。大学病院,大病院では,新鮮外傷は増加しない。時に尿道狭窄,尿瘻患者が紹介されて来院するくらいである。すなわち,第一線病院で,尿道外傷の多くは処置されていることになる。その病院の処置によつて,患者の予後が左右され,極端にいえば,運命が決定される。尿道狭窄のために,青年が,永久的膀胱瘻を設置されているのを,幾度か見た。一度処置を誤ると,その後遺症たる尿道狭窄,尿瘻等の治療は誠に困難で,患者の社会的生命を奪うことすら多々ある,第一線医師の処置が後々まで,尾をひくのである。かかる外傷を扱う医師は,泌尿器科専門技術を充分修得した者に限られる筈であるが,実情はそうでなく,専門的技術に乏しい医師によつて,処置されていることが多い。
 尿道外傷の患者が運び込まれたらどうするか。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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