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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科22巻13号

1968年12月発行

文献概要

特集(増刊号の)1 尿路の外傷と損傷 Ⅴ尿道の外傷

尿道外傷の後遺症とその予防法

著者: 百瀬剛一1 片山喬1

所属機関: 1千葉大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.215 - P.221

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 尿道外傷は最近盛々増加する傾向にあるが,適当な治療が行なわれないと後年難治の後遺症に苦しめられることになる。その中で最も問題になるのは尿道狭窄であるが,その他に尿浸潤,尿道瘻,尿路感染症,尿路結石,インポテンツ,時には男性不妊等もみられる。これらの多くは損傷直後に正しい診断が下され,正しい治療法が行なわれれば防ぎ得るものである。すなわち,かかる後遺症の予防法とは,損傷直後の正しい診断と適切な処置に他ならないのである。泌尿性器外傷は一般の外傷に比しまれであつて,かつ一般外傷を取扱う最前線の病院に泌尿器科専門医のいないことが多く,腎外傷などは多く一般外科医により処置されているが,尿道外傷についてはその場で適切な処置をとられることなく,後になつて泌尿器科専門医へ廻されることが多い。このことは事故による教室最近の尿道外傷22例をみても受傷後3日以内に来診したものは7例にすぎない。このため我々は尿道外傷そのものより,その後遺症の治療を行なうことが多くなつている。
 この他医療過誤に基く広義の尿道外傷による後遺症をみる機会も決して少なくない。本論文においては,主としていわゆる尿道外傷の後遺症について述べるが,1, 2医療過誤による症例をも引用して解説したい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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