文献詳細
特集(増刊号の)1 尿路の外傷と損傷
Ⅵ尿路の放射線損傷
子宮頸癌の放射線治療による膀胱障害
著者: 田崎瑛生1 荒居竜雄2 尾立新一郎1 伊藤よし子3
所属機関: 1東京女子医科大学放射線医学教室 2放射線医学総合研究所臨床研究部 3東京女子医科大学産婦人科学教室
ページ範囲:P.240 - P.247
文献概要
放射線治療は,癌の発生母地およびその隣接臓器の放射線に対する耐容量と,癌の致死線量との差によつて成り立つている。
したがつて,癌が照射により,良く治癒するためには,第一には,癌の発生母地が,その癌より,照射によく耐え得なければならない(子宮腟部ならびに頸部は,幸いにも,そこに発生している癌の放射線致死線量の2〜3倍の線量にも耐え得る)。第二には,発生母地周囲の近接臓器(子宮頸癌の場合には,特に膀胱後壁,直腸前壁)に,大線量が与えられないように,適切な照射技術を駆使しなければならない。
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