文献詳細
原著
自家腎移植による腎血管性高血圧症の治療
著者: 百瀬俊郎1 石沢靖之1 中山宏1 井口潔2 山田孟2 白浜重国3
所属機関: 1九州大学医学部泌尿器科学教室 2九州大学医学部第二外科学教室 3九州大学医学部第一内科学教室
ページ範囲:P.275 - P.279
文献概要
腎血管性高血圧症に対する治療の根本原則が血管外科的操作による腎動脈狭窄の除去すなわち腎血行再建術にあることはいうまでもなく,この目的のために現在まで多くの術式が考案され,すぐれた成績を収めているのは周知の事実である。ところで最近本症に対する腎血行再建の新しい方法として自家腎移植術が試みられるようになり,すでに2,3の報告もなされている1)2)6)7)。われわれも2例の腎血管性高血圧症に対し自家腎移植術を施行して優秀な成績を収め,その一部はすでに報告したが4)5),ここに改めて2例をまとめて紹介し,併せて本症における自家腎移植術の適応について簡単な考察をおこなつてみたい。
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