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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科22巻4号

1968年04月発行

原著

ミューラー管嚢胞

著者: 六条正俊1 広田紀昭1

所属機関: 1北海道大学医学部泌尿器科教室

ページ範囲:P.299 - P.302

文献概要

 ミューラー管は泌尿生殖器原基の一部で,本来ならば女子では発展分化して卵管,子宮および腔上部を形成するが,男子では退化し睾丸附属体および男性子宮としてわずかに遺残するのみとなる筈である。男子において胎生期ミューラー管の退化過程が障害されて,その末梢部が嚢胞様に拡張されて残ることがあり,文献的にはEnglischが1873年に1剖検例でこの状態を発見し,Cystic Mul-lerian duct remnantと命名したのが最初の報告のようである。以後同様の報告が散見されているが極めて稀れなものと思われ,本邦では2例の報告をみるのみである。我々は最近,無症候性血尿を主訴とした膀胱癌患者において,直腸指診でいわば偶然に膀胱底部の嚢胞を発見し諸検査の結果ミューラー管嚢胞と判明した1症例を経験したので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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